ツバメのお宿ウォッチング
=大群でよし原を乱飛行=
次々と飛来してくるツバメを観察する参加者
近江八幡市の西の湖畔で二十日夕、「ツバメのお宿ウォッチング」が行われ、家族連れや一般市民ら約三十人が参加した。
ツバメは、春から初夏に子育てを終えると、成鳥になった若鳥と親鳥は巣から離れ、よし原などをねぐらにして冬が来る前に東南アジア地域に渡る。中には渡らない「越冬ツバメ」もいる。
巣を離れて渡る時まで近江八幡市、高島市、草津市、湖南市、長浜市の県内五か所のよし原などで集団で羽根を休め、ねぐらとしていることが知られている。
そのうち、よし原の規模が大きい西の湖は県内でも多くのツバメが集まり、多い時には五万羽以上の大群がよし原を飛び回る姿が見られる。
ウォッチングは、身近な自然の営みに関心を深めてもらおうと、ツバメの大群が観察しやすい今頃、近江八幡水と緑の環境ネットワークと市民自然観察会が五年前から共催している。
午後五時半、同市安土町下豊浦の西の湖すてーしょんに集合した参加者らは、二十年以上ツバメの観察を続けている同町下豊浦の三木勇雄さん(71)から、ツバメの種類と生態、よし原に飛来してくるようすやその観察の仕方などの説明を受けたあと、マイクロバスで大中町の観測ポイントに移動。
三木さんからツバメがやってくる方角や飛び方、他の野鳥との見分け方などの説明を聞きながら、肉眼や望遠鏡を構えて飛来を待った。
西の空に夕焼けが広がり始めた午後六時半ごろ、北の空から低空で次々と飛んでくるツバメが現れると「来た、来た」や「いやー、たくさんおるなぁー」の声があがった。
西の湖に集まってきたツバメの群は、さらに大きな群になってよし原の真上を低空飛行したり、時にはスピードをあげて飛び回るなど、めまぐるしい飛行の変化を楽しませた。
東近江市布引台から参加した安原晃宏さん(42)は「息子が自然や動物が好きなので家族で来ました。西の湖は魚釣りでよく来ていたが、こんなにツバメが集まってくるとは知らなかった。子どもにもいい自然観察になったと思います」と話していた。
西の湖でウォッチング ツバメの大群
=参加者募集=
近江八幡水と緑の環境ネットワークと市民自然観察会は、二十日午後五時半から行う「ツバメのお宿ウォッチング」の参加者を募っている。
南の国からやってくるツバメは、日本で子育てを終えたあと、南方に飛び立つ時期まで巣立った幼鳥とともに川原やよし原をねぐらとして過ごす。
西の湖畔のよし原は、「ツバメのお宿」として知られ、無数のツバメが群をなして羽根を休める。
観察会は、午後五時半、湖畔の「西の湖すてーしょん」に集合。ツバメについての説明のあと、西の湖のよし笛ロードに向かい、ねぐらに戻ってくるツバメの大群を観察する。
送迎バスが近江八幡市役所前(午後五時集合)から運行する。バス利用の申込みは、人数、氏名、連絡先を明記し、市民自然観察会事務局(FAX0748―33―1667)に送る。または、電話(番号同じ)で行う(定員になり次第締め切り)。観察会の問い合わせも同じ電話番号。参加費無料。事前申し込み不要。