近江八幡市のゴミ焼却場建設
=竜王町の反対住民と協議会設置へ=
近江八幡市竹町に計画されている一般廃棄物焼却施設に反対している竜王町住民と建設を進める同市との意見交換会が四日夜、同町西横関公民館で開かれた。
冨士谷市長が意見交換会に出席
会場には、西横関地区をはじめ近隣四地区の住民約六十人が参加、市側からは冨士谷英正市長、津村孝司副市長、竜王町からは竹山秀雄町長、両市町の担当職員七人が出席した。冨士谷市長が一般の反対住民との話し合いの場に出席したのは初めて。
北川幸治郎西横関自治会長が「(集落に隣接する竹町で)施設が稼働すると排出される粉塵、排気ガスが将来にわたって安全なのか心配している中で、工事が着々と進められようとしている。設置場所の変更をお願いしたい」と市に訴えた。
これに対し冨士谷市長は「市では地域と協同のまちづくりに取り組んでおり、ゴミ焼却場施設については地域から誘致の手を挙げてもらって選定され、議会で決議されている。なくてはならない生活施設であり、安心、安全は保証する。もし何かあった時は対応する」と理解を求めた。
参加住民からは「住民の安心、安全を担保してほしい」、「これまで(反対住民に)充分な説明ができていないのではないか」、「(施設が稼働して)転居される人への補償はするのか、子どもへの影響が出た場合対応してもらえるのか」などの不安の声に対して市長は「被害の原因が(施設であると)明らかになれば補償するが、そんな例は全国的にもない。代表者への住民説明については、これまで五回開かれている。迷惑施設というイメージはもっておらず、建設計画を中止する考えはない」と答えた。
さらに「竹町には最高で年間一億円のまちづくり交付金を出すと聞いているが、周辺自治体に迷惑料を支払う考えはないか」の問いには「市町の行政枠を越えて支払うことはあり得ないし、(現金等の)迷惑料を支払うことは法に違反する」と説明した。
「排出物質の監視を常時してもらい、住民の心配をなくす手だてを講じてほしい」の要望に対しては「月一回など、定期的な測定を行い結果を公表する。しかし、隣接地域内での常時観測は難しいし、全国でも例がない」と答えた。
「住民は、安心、安全であるということを不安視している。市長は安心、安全の方針を曲げないでほしい。我々の不安が具体化していないところに問題がある。住民が議論に加われる場を設けてもらいたい」との意見に対して市長は「専門家を交えた説明や住民の意見を聞く協議会を設けたい。その中で出来ることはできる、出来ないことは出来ないと申し上げたい」と回答した。