琵琶湖の湖上交通
=県が旗振り、5月発足 情報発信や企画ツアー=
航路の旅客定期便と北びわこタクシーが運行されている琵琶湖の湖上交通
県は五月、湖上交通を活性化することで琵琶湖への関心を高めてもらおうと、官民で(仮称)湖上交通活性化推進協議会を立ち上げる。
同様の施策はこれまで、県が主導的な立場をとることが多かったが、今回の推進協では「旗振り役」に徹し、交通事業者(湖上・陸上)と観光関連の業者、協会、NPO、マスメディア、商工会議所などと連携して、プロジェクトを企画、実施する。
琵琶湖の湖上交通は現在、旅客定期航路の九航路のほか、北湖で湖上タクシーが運行されている。利用者数(琵琶湖汽船とオーミマリンの実績)は、平成二十一年は、同十七年比で一・三五倍の五十三万六千人に伸びている。
とくに著しいのは沖島航路で、定期便の利用数は平成十一年の二万四千三百人から同二十一年の六万二千九百人へ大幅に増えた。
県交通政策課は増加の要因を「住民が特産品を販売するなど観光客を受け入れ始めたことや、朝夕の定期便が充実したため」と推測。近江八幡市観光課は「テレビなどで紹介された後は、問い合わせの電話が多い。訪問者にとって、何があるのか確かめたくなる魅力がある」と話す。
推進協では湖上交通のさらなる活性に向けて、主なテーマとして▽既存航路事業の活性化▽企画ツアーの実施▽琵琶湖・環境学習の活用▽小型船舶などの活用―を掲げる。
当面の取り組みとして、航路の発着港と周辺の観光、京阪神方面からのアクセスを広く発信することにしている。
担当の県交通政策課は「湖上交通の利用者は増えているので、きちんと宣伝して人を呼び込みたい」と意気込んでいる。