安土城考古博物館 春季特別展
=古代の湖上物流の役割を探る=
県立安土城考古博物館(近江八幡市安土町下豊浦)の春季特別展「湖(うみ)を見つめた王 継体大王と琵琶湖」(滋賀報知新聞社など後援)が、二十一日から始まる。六月十七日まで。
かつて琵琶湖は、多くの物・人・情報が行き交う重要な航路として経済を支えることで、近江のみならず日本国家の形成に多大な役割を果たしてきた。
特に、高島市の鴨稲荷山古墳に象徴される継体大王の時代(古墳時代後期の六世紀)は、琵琶湖の水運は国際的にも国内的にも極めて重要な役割を果たした。
琵琶湖近くにある前方後円墳の鴨稲荷山古墳からは、大陸からの輸入品を含む多数の副葬品が出土していることからも、琵琶湖水運の拠点として、また、国内の政治史・流通史を考える上で、画期的な存在となっている。
同展では鴨稲荷山古墳を中心に、継体大王の時代の琵琶湖周辺の古墳や集落の様子を通して、湖上物流が古代国家形成に果たした役割を考える。
会期中の関連行事として、同志社大学の森浩一名誉教授による特別展記念講演会「古代近江とヲホド王を語る」が四月二十九日午後一時半からある。
また、博物館講座は、四月二十二日「古墳と舟運」、五月六日「継体大王と鉄生産」、五月二十日「王と首長の神まつり」、五月二十七日「若狭・越地域の古墳時代」、六月三日「横穴式石室からみた地域交流」、六月十七日「埴輪からみた継体大王」が、いずれも午後一時半から。定員は当日先着百四十人。
そのほか、六月十日にはオプショナル・クル一ズ「琵琶湖から古墳を眺望する 琵琶古墳遊覧クルーズ」も開催される。参加費四千五百円(弁当・資料代)。定員六十人。参加申し込みと問い合わせは、株式会社琵琶湖汽船(TEL077―524―5000)まで。
同館は月曜日休館(ただし四月三十日は開館)。入館料は大人八百六十円、高校生・大学生六百十円、県内在住六十五歳以上四百六十円、小・中学生四百円。
問い合わせは、安土城考古博物館(TEL0748―46―2424)まで。