西澤市長にインタビュー 公約の進捗診断と課題=来年度は任期最終年 政策の仕上げと総括へ=
インタビューに答える西澤市長就任から三年を振り返り、市長としての自己評価はどうか
公約の実現に向けては、強い意志を持ってがんばってきました。厳しい財政運営の中で、福祉や教育、医療など市民生活に欠くことのできない政策については、計画どおりに進んでおり、ある程度市民の皆さんに評価していただけるものと思っています。
特に、地域医療に関しては、地方の勤務医不足という厳しい現実の中、国立滋賀病院の充実など安心の医療体制に向け、一歩進んだと思っています。引き続き市立二病院の整備に全力を尽くします。
一方、不祥事や判断ミスにより市民にご迷惑をおかけしたことについては、組織の責任者として深く反省し、お詫び申し上げなければなりません。
二月から任期最終年を迎えるが、あと一年間の任期中で仕上げたい政策課題は何か
学校耐震化や給食センター建設、基幹道路整備などインフラの整備については、計画以上に前倒しで進めることが第一の課題です。
次に、子ども医療費の無料化を充実させ、国民健康保険料、介護保険料の値上げを極力抑制することが第二の課題です。
こうした課題を達成あるいは解決するには多額の費用が必要です。この費用を捻出するためにも、行財政改革を成しとげなければなりません。これが第三の課題です。
そして、行財政改革は、市民の皆さんの理解と協力なしには進めることはできません。不祥事や判断ミスを防ぐことはもちろん、十二万人都市にふさわしい行政サービス提供者としての職員体制を築き、市民の信頼を得ることが第四の課題です。
これら四つの課題に、優先順位はなく、いずれも重要な課題です。
任期四年間で成果を挙げることが難しいと考える公約は何か
管理経費の削減です。正規職員の人件費は、人員削減や地域手当をすべてカットしたことなどで、ほぼ公約どおりとなります。しかし、管理経費については、思うように削減できそうにありません。行財政改革が予定どおり実行できれば、目標の五割程度は達成できますが、それ以上の管理経費の削減が難しい状況です。
特に、施設の維持・管理経費の削減には限界があり、逆に、増加する場合もあります。
例えば、すべての学校などの教室にエアコンを設置すると、東近江市では、その電気代だけでおよそ一億円必要との試算報告を受けています。正直、マニフェストの中では計算外でした。
さらに、学校や園の運営には、正規の教職員以外に特別支援教育、低年齢児加配などに必要な教職員は、臨時、非常勤職員さんにお願いしなければならない状況です。そうした人件費は、行き届いた教育や保育に心がけようと思えば増加する一方です。
私は、学校・園の運営に必要な維持・管理経費を削減することはしないこととしました。したがって、管理経費の削減に関する公約は、額面どおりにはできないこととなります。この件については、市民の皆様にお詫び申し上げます。
選挙で約束した公約のうち、成果があがっているものとあがっていないと考えるものは何か
学校などの耐震、中学校・幼稚園まで含めた給食提供、保育所・学童保育所待機児童解消、病院体制の整備など安心の三重奏については、かなり成果が上がった、あるいは成果が上がりつつあるものと思っています。
交通網の整備も順調に成果を上げており、JR能登川駅近くのずい道整備、蒲生スマートインターチェンジの建設も本格化します。ひばり通りの延長、外環状線の春日工区の開通、蛇砂川新川道路一部開通など、計画どおりに進んでいます。
一方、成果が十分といえないのは行財政改革です。行財政改革は目的ではなく、多くの費用を必要とする安心の三重奏のソフト事業、例えば、医療費の無料化などの財源を作る手段であり、改革の必要性を市民の皆さんに訴え、理解と協力を得る努力を続けなければなりません。
東近江市の新しい展望が期待できる政策はあるか
東日本大震災から、東近江市も大きな影響を受けています。同規模の地震が発生したとき、公共施設や身近な自治会館は大丈夫か。原発事故が起きたときの対応はどうなっているのか、などなど。市民の安全を守る施策は、自治体の最も重要な仕事です。
そこで、まずは身近な自治組織の強化を図るため、自治会館の耐震診断、耐震補強、緊急時電力確保などに、ある程度充実した支援を考えています。大きな展望とはいえませんが、市民の生命が第一です。
今年四月から、国立滋賀病院に二十数年ぶりに産婦人科が完全復活します。また、来年四月には七階建て新病棟がオープンし、三二〇床の病院に生まれ変わります。これで、普段はかかりつけ医、いざとなればこれまでの病院に国立病院が加わり、さらに難しい医療は、滋賀医科大学などの病院がひかえている。ようやく安心できる病院体制の充実が現実のものとなります。