おうみ狂言図鑑2016秋公演
滋賀報知新聞
=安土文芸セミナリヨとわたむきホール虹=
「おうみ狂言図鑑2016秋公演」のポスター
古典芸能を通して滋賀の魅力を再発見する県のアートコラボレーション事業「おうみ狂言図鑑2016秋公演」が安土文芸セミナリヨで九月二十五日、日野町町民会館わたむきホール虹で十月十日の二回開かれる。時間はいずれも午後二時から。
おうみ狂言図鑑は、狂言大蔵流の名門で滋賀県にゆかりのある茂山千五郎家(京都)の協力を得て、二〇一一年から滋賀を題材に創作された狂言で現在六作ある。
秋公演では、「本能寺の変」(一五八二年六月二十一日)が起きる六か月前、新年会に参加した織田家家臣たちの中で、信長に嫌われているのではないかと心穏やかでない「明智ひでみつ」が「羽柴ひできち」に持ちかけた相談に、宣教師「オルガンヒキーノ」や「蒲生さとうじ」が加わり、思わぬ方向に話が展開し、信長のあらぬ秘密が暴露されるという内容の「安土城ひみつ会議」(二〇一四年制作)の脚本を改作し、より深く戦国の大事件の真相に迫ったリニューアル版を二ホールで上演する。
このほか、安土文芸セミナリヨでは、太郎冠者(たろうかじゃ・登場人物)が、相撲取りと間違って連れてきた江州守山の「蚊の精」と大名が相撲を取る「蚊相撲」と、長寿の薬になるというカタツムリを探しに山に出かけた太郎冠者が、竹やぶで休んでいた山伏をカタツムリと思いこみ、連れて帰ろうとする「蝸牛」(かぎゅう=カタツムリのこと=)を、また、わたむきホール虹では、若いむこが、心細いので父親に付き添いを頼んでむこ入り(夫が結婚後に妻の実家にあいさつに行く中世の儀式)に出かけ、父親が舅(しゅうと)の家の前で同家の太郎冠者に見つかり家に招かれるが、礼装の袴(はかま)が一つしかないピンチを乗り越える父子を演じた「二人袴」と、自宅に御堂を建てた田舎者が、都に仏像を求めに行き、出会った仏師(詐欺師)に手の形がおかしい仏像を渡され、仏師に手直しを頼むやりとり「仏師」のそれぞれ二題も上演する。
観賞料金は、各ホール一般二千円、青少年(二十五歳以下)千円。未就学児は入場不可。入場チケットは、両ホールのほか、ローソンチケット(Lコード57944)、KEIBUNで発売中。