老蘇コミュニティセンター
滋賀報知新聞
=まちづくりの拠点 防災と住民避難所の役割も=
完成した老蘇コミュニティセンター
近江八幡市安土町東老蘇で建設が進められていた「老蘇コミュニティセンター」が完成、四日竣工式が行われ、地域住民の活動拠点の完成を祝った。
同地区には、これまで住民が集まれる大規模な集会施設がなく、旧安土町時代から設置が望まれていたもので、同センターの完成は、地域住民にとって待望の施設で完成の喜びも大きい。
自主的なまちづくり活動の拠点施設として活用できるよう、設計段階から市と住民でつくる建設委員会が協議を重ね、寄せられた住民からの要望や意見などを設計に反映させ、地域性あふれる施設に仕上がった。
完成した建物は、鉄骨造りカラー鋼板葺き二階建ての事務棟(本館)と平屋建ての多目的ホール棟の二棟建て(延べ床面積一、〇九六平方メートル)で、二棟の切妻屋根が交差するようにそれぞれに傾斜を持たせたユニークな外観となっている。
事務棟内には、道路(中山道)側に住民が気軽に立ち寄れるふれあい広場、調理室、和室二室、シャワー室、授乳室などが設けられている。ふれあい広場は、地元から提案のあった「つながりと出合い」をコンセプトにしたオープンテラスにもなり、地域住民や中山道を訪れる人々にカフェや地域イベントの開催が可能なコーナーになっている。
このほか、各種団体とまちづくり協議会の事務室、二階には防音の研修室と会議室二室、倉庫などがある。
多目的ホール棟は、二室に区切れる間仕切り付き(一五○人収容)で収納式のステージを備えている。
二棟は、中央部の広いエントランスホールでつながり、展示場としても活用出来るよう工夫されている。建物南側には四十一台収容の駐車場を整備した。
施設は学区の防災拠点としての機能を持たせており、大規模災害時には地区民の一割(約三百人)の避難者が三日間、生活できる飲料水を蓄える受水槽(八トン)と公共下水道が使用できない場合に活かせる排水貯留槽(四〇トン)、トイレ、散水用など雑用水の貯水槽(六トン)、非常用発電機(約三十時間稼働)が備えられている。防災拠点にもなるコミュニティセンターは市内四例目。建設工事費三億八、六六六万円。