伊崎の棹飛び
滋賀報知新聞
=人々の願い成就へ 僧侶ら10人が「捨身の行」=
突き出た棹から湖面に飛び込む僧侶
琵琶湖に突き出した棹(さお)から湖中に飛び込む天台宗延暦寺支院伊崎寺(近江八幡市白王町)の「棹飛び」が一日、同寺棹飛堂で行われた。
平安時代から伝わる伝統の仏事で、百日回峰行を修業した僧侶(行者)が、「捨身の行」として飛び込んでいる。
ことしも全国から三十~四十三歳までの僧侶と法師ら十人が同行を務め、午前十一時からの法要のあと、祈願を込めた信徒らの名前が綴られた白の浄衣を身にまとった僧侶らが、吹き鳴らされるほら貝を合図に棹飛堂に集まり、一人ひとり順番に高さ約七メートル、湖上に十三メートル突き出した棹先(幅三十センチ)まで一歩一歩近づき、飛び込んだ。
揺れる棹に動じることなく竿先に向かう経験者や恐る恐る足を進める初めての僧侶など、それぞれようすは違ったが、先端に立つと直立不動のまま手を合わせ、迷うことなく一気に飛び込んだ。
棹飛堂とその周辺に集まった参拝者や見物人らが、順番に湖に飛び込む修行を見守った。