琵琶湖の水環境を調査する「アメンボ型ロボット」
=中央大教授が研究開発 無人で同時観測が可能=
西の湖園地で試験されたアメンボ型ロボット
琵琶湖の水環境を調査する「アメンボ型ロボット」の研究開発に取り組んでいる中央大学理工学部の中村太郎教授が十六日、近江八幡市の西の湖園地で試作機の試験運転を行った。
将来的には複数のロボットを湖上に設置し、水質や水草の繁茂状況、沿岸域の地形などの観測データーを取り込むネットワークを構築し、リアルタイムで分析調査できるようにするのがねらい。船で行けない場所や時間制限のない連続調査などでの活用を目指しており、地域環境保全の研究開発に取り組んでいる近江八幡市桜宮町のNPO法人アスクネイチャー・ジャパンが支援している。
試作機は、縦横一メートルほどの大きさで、六本の脚のうち前後四本に球状のフロート(発砲スチロール製)、中二脚に櫂(かい)を取り付けている。櫂の脚は、ラジコン操作で動き、ロボットを前後左右、回転など自由に動かすことができる。脚部には、波の揺れを吸収するサスペンション機能が装着され、湖上での静止や移動時の操作をスムーズにしている。また、WiFi付小型カメラや観測機器を取り付けることが可能で、フロート付のアメンボ型にしたことにより波の影響を受けにくく、転覆しにくい構造となっている。
試験運転では、ロボットを水上に浮かべて櫂をかくスピードを変えたり、前後にかいで回転さすなど、水上でのロボットの移動状態を確認したり、搭載した小型カメラの映像をスマートフォンに映し出し出すなどの動作状況を調べた。
中村教授は「まだ、風に流されずに安定する対策などの改良点はあるが、湖面にたくさんのロボットを浮かばせての同時観測が可能になることに活躍の場が生まれるのではないか」と期待を寄せている。