新春放談「平成24年を語る」=冨士谷英正 近江八幡市長=
今年三月で合併から二年。冨士谷英正近江八幡市長にとっては新・近江八幡市初代市長として、一期目の折り返し点を迎える。平成二十四年、年頭の思いをたずねた。
―合併後のまちづくりの進捗状況と今後の展望をお聞かせください。
全国で類を見ない合併反対運動を展開した人々に、合併への理解を求めることに重点を置いてきました。合併後のまちづくりの説明、住民の意向を聴くことを目的に旧安土町の各自治会で開いた「みらい創りトーク」で、一定の理解を得られたと思います。
私は、マニフェストで約束したことは守ります。例えば「安土地域伝統文化のつどい」は好評いただいているし、「安土駅周辺整備事業」は旧安土町時代の経過も尊重しながら、平成二十六年度中の工事着工をめざして進んでいます。安土城のバーチャルリアリティー化(映像で表現)も、実現に近づいています。
まちづくり協議会設立についても、老蘇・安土の両小学校区で思っていたよりも早く設立できそうですし、安土小学校運動場の芝生化、安土中学校の全天候型テニスコートが完成し、武道館も新年度から供用開始できる運びです。
津村孝司副市長には旧安土町の住民パワーを分析してもらい、教訓として、そのパワーをまちづくりに生かせる方向で努力してもらっています。
今後の展望としては、協働のまちづくりが最大の課題です。そのためにも安土地域の「みらい創りトーク」を復活させたい。それと、重要な業務は本庁に集約して、安土総合支所から本庁への部署の整理を行い、機能の充実を図りたい。
中長期的な展望も重要です。まず、教育環境の差異を是正しなければなりません。安土・老蘇小学校の校舎は大規模改修を平成十四年に行っており、当面は改築できません。しかし、あくまでの改修であり、改築・移転を視野に入れて取り組みます。福祉面で、安土のよい部分を旧近江八幡市にも取り入れ、継承発展させて行きます。
安土地域の活性化は、まちづくり協議会とタイアップしながら住民の意向を十分に反映して取り組む必要があります。安土駅周辺を核として活性化の輪を広げて行くことが大切だと考えています。
それには観光客の誘致が不可欠で、安土駅に新快速の停車を求めて行きます。安土城跡下の広場も有効利用できると思っています。例えば、安土の産品や加工品を観光客に販売できる「城の駅」のような施設ができないか模索しています。
このほかにも、県道2号(大津能登川長浜線)バイパス化の早期実現、国民健康保険や介護保険など合併に伴う調整項目の未調整部の早期解消、「文化協会・観光物産協会と観光協会」「商工会議所と商工会」など組織の統一などがあります。
そのためにも安土地域自治区協議会の運用充実を図ります。
―合併に関する住民アンケートはいかがですか。
合併時点で、二年半後に住民から「単独の安土町がいい」という声が多ければ、旧安土町民を対象にアンケートを採ることを約束しました。現時点では、「なにがなんでも合併反対」という声は耳にしていません。昨年四月の市議選で、合併反対派議員と合併推進派議員の構成が大きく逆転しました。したがって、今後の様子を見て、判断させていただきたい。
―これからの主要事業や課題はどのようなものがありますか。
単年度の事業も大切ですが、中長期でみて、一般廃棄物処理、火葬場、最終処分場・リサイクルセンター、消防などといった東近江地域での広域サービス事業で、中部清掃組合などで別体系になっている旧安土町地域を、近い将来、近江八幡市に組み入れたい。それには関係自治体の理解を求めなければならないし、二重化行政を防ぐ整理が必要になります。でないと、合併のメリットが出てこないと思います。
これまで同様、すべての事業の見直しを絶えず行い、行財政改革を推し進めることを前提に、二十七年供用開始をめざす一般廃棄物処理場建設、老朽化した市庁舎対策、東日本大震災を教訓に各小学校区に防災機能を持たせたコミュニティーセンター建設などの減災対策、(仮称)島環境小学校など特色ある学校づくり、二十七年供用開始の桐原小学校改築、九千食可能な災害対応できる給食センターによる幼・小・中の完全給食などに取り組みます。
また、人口十万人都市をめざし、様々な施策や必要に応じた農地転用など、国や県と話を詰めて行かなければなりません。逆に、農業の活性化に向けて、農地の集積を図り、収益を上げてもらうために、農家の大規模化や法人化も進めなければならないと思っております。
―それらの事業を進めるには、何が必要ですか。
何をするにしても効率良く、株式会社近江八幡市の思想「最少の費用で、最大の効果」が表れてくるような運営に心がけていきます。
例えば、一般廃棄物の処理費用軽減や、流域下水道から面的整備(合併処理浄化槽)への転換、また、びわこ揚水の自然流下と再利用による費用軽減は自治体の存亡がかかっています。
福祉面では、老人福祉施設整備に力を注ぐことや、幼・保一元化を図るなど、待機児童の解消を図らなければならない。また、不妊治療への助成を新年度予算に計上したく思っております。
病院は病院職員の努力により二十二年から黒字に。この勢いを維持しつつ、地域完結型の地域医療への貢献をめざします。また、休日急患診療所を充実し、病・診連携、病・病連携の連携パスをきちっと図って、在宅医療の充実に寄与する地域医療支援センターを二十六年三月までには建設したい。
観光は、全国唯一の水郷巡りをより楽しんでもらえるように、水郷地帯から西の湖(安土方面)へ行けるようにできたらと思っています。また、沖島を環境の拠点にと思いをめぐらせているところです。
このほか、メガソーラーの誘致も努力してみたい。近江八幡と安土を結ぶ幹線道路や国道8号へつなぐ道路の整備も積年の課題です。
安心して安全に暮らせるまちを子や孫に引き継ぐために、やらなければならないことは限りなくあります。住み良いまちづくりは、市民のみなさんとの協働が不可欠です。今後とも、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。